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いかけしごむ9日目

稽古場日誌9日目




おはようございます!

熊谷です


さあ!

稽古の第二稽古、立ち稽古に入りましたので、

ここからしっかりとお芝居を作り上げていきますよ




……のっけからめちゃくちゃつまづきましたω;`)




それは何故か?



お芝居冒頭は、熊谷の一番最初の登場シーンであり、

お客さんの心をまず最初に掴まなければいけない大事なシーンだからです……




……正直に言いますと、

熊谷はこの冒頭のシーンを、ちゃんと理解できておりませんでした。。。


だって、

「あれ?これは、私の与えられたお芝居中の私の役であり、私自身ではないんですよね?

じゃあこれは誰に話しかけているの?……自分自身かな?」


と、ざっくりと、漠然と思いながら、

なんとなく覚えたセリフをしゃべっておりました。



ですが、

舞台上に出て、二言三言しゃべったところで止められます。



「ここは、自分自身に向かってしゃべっている一人言ではなく、

お客さんに向かってアピールしているシーンだから。」


今回のお芝居の舞台設定を、「お客さんに」説明しているシーンだから、と。



「ツアーガイドのようにやって。」とも言われました。




熊谷、全くそんなふうには理解しておりませんでした(;・∀・)



そういうふうに理解していなくて、

また、そういうふうに役作りをしていたわけではないので、

何をどうすればいいのか、すぐには理解できません。



ちゃんと理解できぬまま、

とりあえず2回目やってみます。


意識したのは、ぶっちゃけ、

「話しかけるべき相手を、自分から客席側に変えた」だけ。



……ちゃんと理解していないままやってたら、

そりゃすぐ止められますよね。



次なる注意点は、

「もっとお客さんにアピールして。」


要は、もっとお客さんにわかりやすく、「説明」をして、と。



自分自身は、役として出ているし、

台本も読み込んでいるし、

このあとお芝居上で何が起こるかも知っているし、

どういう結末で終わるかも知っている。


けど、お客さんは、

何回もリピートして見に来ない限りは、

基本的に初めて今回のお芝居を見ます。


だったら、

お客さんにとって「初めて」である物事は、

「初めて」教えることを考慮して、

ひとつひとつ丁寧に、ゆっくりと伝えていかなければいけない。




このお芝居冒頭と、お芝居の本編が始まってからは、

ぶっちゃけ別物だと考えるべきだ、というのです。


今回お借りしている別役実さんの「いかけしごむ」は、

30年ほど前に書かれた戯曲らしく、

最近書かれた戯曲だとはさすがに言えません。


そんなこともあって、

劇中には、やはりその当時を彷彿とさせるキーワードやら小道具やらが随所に見られるのですが、

この冒頭の「お芝居のガイドツアー」も、

どうやら時代を感じさせる戯曲の書き方なのだとか。



ちょうどそれぐらいの時期に、

流行っていたお芝居の導入パターンでもあるらしくm(_ _)m



熊谷はそんな感じのお芝居は見たことがないのか、

あんまりピンとくるものがパッとは思いつけず、

「そういう形の始まり方もあるんですねぇ?」という感想。




まぁ、いろいろ言いましたが、

このツアーガイドなるお芝居の冒頭部分は、

今回のお芝居を始めるにあたって、

まず最初に、お客さんを「お芝居に引き込まなければいけない」シーン。


台本上ではたった2ページしかないのですが、

この最初の2ページで、お客さんに「このお芝居面白そう!」と思っていただかなければいけないシーン。


導入部にして最難関。

どうやらそんなシーンらしいんです(^_^;)




それをまず理解していなかった、

かつ、こういうシーンに対するイメージも沸いていない状態で、

ただただ覚えたセリフを言ってるだけ。


そりゃあすぐ止められますよね(*´>д<)




「大事なシーンだから、しっかり作っていかなきゃね。」と、

村尾さんも、ご自身が出ているシーンではないにも関わらず、

熊谷にいろいろとアドバイスをしてくださいますm(_ _)m




では、どのように、「丁寧に」お客さんに、

このお芝居のツアーガイドをしなければいけないのでしょうか?




これがですねぇ、、、


別役さんの本が「難しい」と言われる、

どうもひとつの要因らしいのですが、、、


……めちゃくちゃ指示代名詞が多いんです。


「ここ」とか「それ」とか「この」とか。



「え?じゃあそれをひとつずつ示していけばいい、っていうこと?」


ざっくり言ってしまうと、ぶっちゃけそうです。


「この」と言っているときには、「この」を実際に指差し、

「ここ」のときは、場所を目線なり手ぶりなりで指し示す。



この行動一つ一つを、

うるさいぐらいにしっかりと順を追って、

ゆっくり、お客さんに、もとい、「初めて」教える人に説明する。



文章で書いてしまうと大して難しくもない作業だと思うのですが、

ここが熊谷はかなり苦手みたいでして。


自分なりにはゆっくりひとつひとつやっているつもりでも、

「初めてのことを理解するにはスピードが早すぎる」だとか、

「ここの指し方が雑すぎる」だとか、

そんな細かいところが、客席側から見ていると、

どうやらかなりおざなりなよう。



「自分でやっているつもりでも、伝わっていなければ意味がない。」

ということですね。



自分的丁寧と、周りから見ての丁寧は違うよ、

という、まぁ初歩的な客観視が全くできていないんですね。




しかもお芝居の冒頭部分であり、

お客さんの心を掴まなければいけない、かなり大事なシーン。



自分が今まで持ったことがなかった考え方やら視点をたくさん理解しなければならず、

何をどうすべきかを、まだこの日は整理しきれないまま、

本日の稽古を終えました。



お芝居冒頭だけではなく、

村尾さんが登場してからのシーンも少しばかり稽古はしたのですが、

いやぁ、頭が整理しきれてないまま何かをやろうとすると、

それなりに頑張って覚えてきたはずのセリフがまぁ出ない出ない!(苦笑)



覚えづらい台本なのも相まって、

まともに稽古をできていなかったように思えるのですが、

まぁ、頑張って整理してきて、

ちゃんと冒頭から「面白そう!」と思われるお芝居にできるようにがんばりますね!




ではまた!




熊谷