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いかけしごむ12日目

稽古場日誌12日目




おはようございます!

熊谷です

さあ!

稽古写真からお察しの通り、

本日もセリフ合わせ的稽古!


亀の歩みではございますが、

少しずつセリフが出てくるようにはなってきているものの、

やはり、まだまだ似たような箇所と細かい部分とがごちゃ混ぜになっていることに変わりはなく(^_^;)



セリフの覚え方を、

いろいろな方法を試して、

個人的にはその方法が悪い方向にはいっていないような気がします。


それでも「流暢か?」と言われるとそこまでではなく。



村尾さんも苦戦しているとはいえ、

私みたいに「……ん〜?!」となっている頻度は明らかに少ないです。




「箇条書き」「順番」に加えて、

この「箇条書き」のそれぞれに、「どのセリフがセットで言われているのか」を、

もう少し自分がちゃんと整理&理解&記憶しないと、

セリフが流暢には出てこないなぁ、と思った本日のセリフ合わせ。




何回か申し上げています通り、

今回お借りする別役実さんの「いかけしごむ」は、

指示代名詞がとても多い!


なおかつ、

「いや、このわかってますは、何に対してのわかってますやねん!」と、

稽古前の一人セリフ確認のときに、

一人で突っ込んだりしていました()



それぞれの指示代名詞が、

それぞれ何を指し示しているのか、を自分でちゃんと明確にしつつ、

上記のわかってますみたいに、「何に対して」なのかを理解しなければいけません。



……ええ、

まるで学校の国語の授業の問題のように自分のセリフを分解していっています。

そんなここ数日()




第一主義主宰兼演出の沢渡さん曰く、

「良い台本と巡り会えたと思うよ。」と再三言われています。



熊谷の苦手がたくさん詰まっているらしい、

この「いかけしごむ」


その理由は、

「ないがしろにしがちな部分を、一つ一つきっちり明示していかなきゃいけない」台本だから。


……らしいです。



まだピンとは来ていないのですが、

先ほど一人で突っ込んでいたようなことはその一つらしく。




「台本に書かれているからといって、そのまま鵜呑みにしてはいけない」

ということも言われました。


結果、セリフ一つ一つ行動一つ一つに対して、

「これは何なのか?」「何故こんなことを言っているのか、行動しているのか?」を、

しっかり分解、そして理解しておかなければいけないみたいです。



そうしないと、

「このお芝居を見て楽しめた!」ではなく、

「台本を人が読み上げてくれただけだったな。」と、

お芝居を見に来てくれた方々に対して、

「面白かった!」と思えるお芝居を作れない、のだそう。



「セリフを聞かされただけ」ではお芝居という作品は出来上がっておらず、

しっかりと中身のあるお芝居を作り上げるには、

必要な作業とのこと。




……確かに、

「それ」が何を示しているのかは、

「これのことですよね?」とサラッと流していましたし、

それをわかりやすく明示する作業、お芝居は確かにしておりませんでした。


また、「わかってます」に対して、

「何かがわかってるんやろこの役は。そう言ってるし。」と、

あっさり横に置いていたような気はします(^_^;)




と、なってくると、

この別役さんの本は、そんな言葉や行動の応酬!


そりゃあ、お芝居冒頭の「お芝居ガイドツアー」で、

大量にいろいろ突っ込まれるのは必然ですね(;・∀・)




「不条理って、物事の筋道が立ってないことじゃん。」と、

村尾さんが言われてました。



条理が通っていない、

イコール、物事の通りに合わない、不合理である、ということ。



不条理劇とは、

台本上で行われている不条理(不合理なこと)を受け入れなければいけない設定が書かれているが、

そのうえで、台本上に、その筋道がわかりやすく書かれているわけではない、と。




ほぼセリフしか書かれていない台本に、

物語のわかりやすい筋道が書かれていない(起承転結がわかりづらい)のなら、

それは、役者の芝居や演出側で、

お客さんにわかりやすく示すために補わなければいけない。


これも、いわゆる台本の「読解力」につながってくるみたいですが、

熊谷はどうもこの読解力はかなりてきとーにしてお芝居をしてきたみたいです(^_^;)



ですので、熊谷の苦手が詰まっている台本、

かつ、良い台本という結果になっているそうです。




……う〜ん、

ということは、今セリフを覚えるのにいっぱいいっぱいになっているが、

セリフをしっかりと覚える、かつ流暢に出てこさせるためにも、

かなり細かく、学校の国語的読解力を使うべき、ということでもあるのでしょうか??




また、物語がわかりやすく書かれている王道のお芝居とは違って、

やはり別役さんの台本は玄人好み。


万人受けする台本かと言われると、決してそうではありません。


だって、物語がわかりやすいわけでもないし、

そもそも台本に書かれている設定にわかりやすくヒントが書かれているわけでもないし、

「これが書きたかったのかな?」というような、

わかりやすいテーマすら書かれていません。


「これはどういう意味だったのだろう?」と、

お芝居を見ながら、また見終わったあとにあれこれ考えるのが楽しいタイプの台本です。




……とゆーことは、

セリフの応酬だけでは「セリフだけ」のお芝居になってしまい、

お客さんにとって「面白かった!」という作品にはなれない。


台本上に書かれていない以上、

でも、書かれていることに沿いつつ、

かつ、常識の範囲内で矛盾しないようなお芝居(役の行動理念、行動理由)を、

演じる側、お芝居を作る側で作り上げていく。


セリフに書かれていない以上、

こちらで補った情報を、言葉で足してお客さんに説明することはできないのですが、

その土台を作り込んで、それをお芝居上の行動につなげることはできる。



悪意を持っての行動なのか、善意ゆえの行動なのか、は、

おんなじ行動であってもその土台が変われば、

お客さんに伝わるものも変わる、と。



そういうことなんでしょうね。




長々と書いて、

熊谷自身はわかった気になっておりますが()

実際のところちゃんと理解できているのかは定かではありません()




ちゃんと理解できるように頭の片隅に置きつつ、

このわけのわからない()セリフの応酬な台本を、

頑張って覚えていきますね!


それと同時に、

セリフをしゃべっている、この役の行動理由、心の土台も()




ではではまた〜




熊谷