稽古場日誌14日目
おはようございます!
熊谷です✨
さて!
本日もゲストがいらっしゃいました!
一体誰なのか!?
それは〜……
舞台美術のセットなどをいつも手伝ってくださっている、
篠原さんです〜!!
篠原さんは、何を隠そう、
劇団第一主義の元主宰、そして、第一主義を立ち上げた方!
大道具関係の会社、株式会社しの家を営みつつ、
主宰が沢渡さんに代わってからも、
大道具、舞台美術関係でいつもお手伝いをしてくださっている方です✨
では、何故本日、稽古場に篠原さんが来られたのか?
今回の舞台セットの一つである、平台を持ってきてくださったのです!!✨
お分かりですか?
写真でのこのさりげない変化!
熊谷の足元と、村尾さんの奥に、
新たな台が増えているのが!!
これまでの稽古写真をよぉく見てみると、
足元に白い線が引かれているのに気が付くと思います。
これは、「台がここまでありますよ〜。」という目印!
今まではその目印を目安に、台の上に上がったり降りたりしていたのですが、
本日篠原さんが平台を持ってきてくださったことで、
その台へのアクセスがよりわかりやすくなりました✨
線が引かれているだけでも、「台があるんだな。」という意識はちゃんと持てるのですが、
やはり実物があるのとないのとでは、
稽古中の気遣うべき点がまた変わってきます。
それに!
今回の公演は、稽古場兼劇場!
ざ・小劇場らしい小ぶりで身近な空間でのお芝居となります。
劇場とおんなじ場所で稽古できることを活かしつつ、
また、やはり、普通の劇場とは違い、
舞台上全てをどの客席からも見えるようにするのは厳しいところがあります。
ですが、そこで諦めるような第一主義ではございません!(笑)
全てを見てもらうことが厳しいとはいえ、
客席からお芝居がしっかりと見えるように、
いろいろと工夫を凝らしていきたい、というのが今回のミニマム公演のコンセプト。
その工夫のひとつが、
この平台というわけなのです(*^^*)
ゆったりと座りやすい、客席用のキャンプイスは先日ご紹介いたしましたm(_ _)m
客席側にある程度の段差をつけるために、
低めのキャンプイスをご用意したのですが、
更にそのうえで!
お芝居全体を、よりストレスなく見てもらうためにはどうすればいいのか?
その一つが、舞台側の高さも上げてしまう!
というもの!
おわかりですね??
……そうです!
客席とおんなじ高さの床ではなく、舞台上の床の高さそのものを上げてしまうのです!✨
これまでの稽古写真を見ていただけるとわかると思うのですが、
基本的に今回の二人芝居は、ずっと座りっぱなしの会話劇!
村尾さんの役はまだ立ったり座ったりしているのですが、
熊谷の役はもうほぼほぼ座りっぱなし!
最初と最後しか立っていません!
と言えるぐらい座りっぱなしです(笑)
ということはですよ??
客席とおんなじ高さだと、後ろの方の席の方は、
熊谷なんてほぼほぼ見えないわけです。
首から上が見えていれば良いほうじゃないかな?
立っているならまだしも、
役どころ的にずっと座りっぱなし。
そんな状態じゃ、熊谷なんてほとんど見えません!
ドラマCDならいざ知らず、
声が聞こえるだけではなく、できる限りストレスなく舞台上全部を見ていただきたい!
そのために!
お芝居の大半がイスに座りっぱなしですから、
だったらイスの高さ自体も上げてしまおう!
という計画のもと、
舞台セットとして、床を高さを上げる目的で、
この平台を篠原さんに持ってきていただいたのです(*^^*)
篠原さん、いつもありがとうございます✨
この、客席側を上げるだけではなく、
舞台上の高さも上げる、というのは、
実は大劇場の舞台の構造をそのまま使っております。
大劇場のように、天井が高ければ、
舞台全体をもっとしっかり上げてしまうのですが、
いかんせん、今回の劇場は天井の高さは普通です。
ですので、今回は、
お芝居の大半座っている、イスのところだけを上げてしまう、という戦略でいくことにいたしました✨
舞台側の高さを上げたことによって、
どれだけ客席側から見やすくなるのかは、
また客席がしっかり出来上がったらご報告させていただきますね✨
お芝居をより楽しく見ていただく努力は怠りませんよっ(*^^*)
さて!
創意工夫のお話をしたところで、本日も稽古です!
少し前から、やっとセリフが出てくるのがマシになってきた熊谷ですが、
今回の稽古も小まし。
今までとは違う、または封印していた方法で「セリフを覚える」という作業をやったおかげか、
なんとなく「お芝居っぽく」セリフが出てくるようになりました。
それでも詰まるところや怪しいところはあるので、
まだまだ油断禁物ですが、
おかげで、お芝居自体がテンポよく進んでいくようになりました。
ようやっとこの段階までこれました(;・∀・)
やっと、私自身の脳みそが、
今回の別役実さんの本に染まってきたみたい。
ちゃんと整理、分解して覚えておかないと、
ふとした時に大事故を起こしてしまいますが、
それでも、私なりの今回の台本の覚え方は掴んだようです。
まだまだではありますが、
村尾さん、ご迷惑をおかけいたしました(汗)
熊谷のセリフがようやっと流暢に出てくるようになったからなのか、
演出の沢渡さんから、
ああしたいこうしたい、という話が出てくるようになりました。
「冒頭のお芝居ガイドツアーはしっかり感情を入れてみて。
そのうえで、お芝居本編からはニュアンスを飛ばしたセリフの読み方に切り替えてみて。」
「ここからのパートはワクワクしてみて。でも、セリフのニュアンスは極力飛ばしたまま。」
「ここからここまでのシーンの、二人のやり取りは、真逆の反応にしたい。」
などなど。
けっこー細かく演出的要望が出てきます。
本の作りはしっかりしているけれども、
物語の中の人物や状況などの設定はほとんど書かれていない、
別役さんの本。
全体的に暗くもできるし、明るくもできるし、
今回の本に関しては、お笑い要素をふんだんに入れてコントのようにもできる。
台本に細かい設定が書かれていない、ということは、
セリフさえちゃんと言えれば、台本の面白さ自体は伝わるということでもあります。
ですが、
それだけでは、わざわざ生で、劇場に来ていただいて、
お芝居を見てもらったのにも関わらず、
「お芝居を見て面白かった!」にはならない。
ただ役者が台本上のセリフを覚えて言っただけ、になってしまいかねません。
でも、細かい設定がわからない状態で、
台本上の雰囲気も空気感も、
そのときどきの演出によって変わるなぁ、というのが、
稽古が始まる前に台本を読み込み始めたときの、
熊谷の個人的印象です。
そんな台本ですので、
沢渡さんも、今回の演出方針をかなり悩んでいた様子。
前回の、安部公房さんの「友達」もかなりの強敵でしたが、
まだ安部公房さんの方が、
お芝居上で「これはしなければいけない」という事柄が、
まだわかりやすく書かれていました。
ですが、いかんせん、
今回は、不条理劇の父と呼ばれている別役実さんの台本。
安部公房さんとは比べ物にならないほど、
「こうするべきだよね…?」と思える箇所が少なく、
どうするべきかのヒントを掴みかねておりました。
どのような作品に仕立て上げるのかは演出の仕事ですので、
どの作品でも悩ませられることには変わりはないのですが、
台本上に「書かれていない」ので、これまで以上に悩んでしまうことはある意味必然。
ですが、
「わからんからまぁいっか!」と、
開き直るには、見に来てくださったお客さんに申し訳がない。
今回のお芝居に対して、
演出として為すべきことはなんなのか?
と悩み続けた結果、
台本上の会話でメリハリをつけよう、という結果に至ったようです。
台本上から「こうかもしれないな。」と読み取れることを、
演出、役者共々で共有して、こうかなああかな、という話し合いもしていますが、
こちらはかなりのネタバレとなりますので、
この場では割愛させていただきますm(_ _)m
ですが、
お客さんにお見せするうえで、
わかりやすい表現、演出の今回の方針は、
先ほど申し上げました通り、
パートごと、それぞれの役の反応などで、
会話のテンポ感に差をつけて、お芝居全体のメリハリをつけたい、
というもの。
これまでの第一主義をご存知の方にとっては、
「いつも通り?」と思われたかもしれませんが、
ええ、いつもの手法といえばいつもの手法です(笑)
ですが、
おんなじように「会話をテンポ良く」と一口に言っても、
どうテンポ良くなのかは、それぞれの台本、お芝居によって変わります。
ですが、
今回の「いかけしごむ」に関しては、
「コントのようにならないこと」を一貫して目標に掲げていますので、
そんな感じの会話劇ではございません、
とだけ申し上げておきます(笑)
演出方針がはっきりと出てきたことと、
前回の稽古で久々にお芝居後半戦を稽古しましたので、
お芝居後半戦の、立ち位置移動などを一つずつ細かく決めていって、
本日の稽古は終了。
セリフの覚え方だけでなく(笑)
演出もかなり頭を悩ませる別役実さん!
さすが、長年愛されてきた作家さん、というべきでしょうか??
あ!
今日いろいろ書きましたが、
あんまり気負わずに見に来てくださいね✨
「いかけしごむというタイトルコールはどこでどういうふうにするんだろう!?」を、
楽しみに見に来てください!(笑)
あ!
これもぷちネタバレ?!(笑)
ではではまた(*^^*)
熊谷